2008年09月12日

お香の歴史2

香炉という商品を扱っておりますので、お香についてのご質問もいただきます。


お香については専門家ではありません。
私なりに得た知識を、お香をまったくご存じない方向けに、書いておこうと思います。
専門家ではないひとりよがりの知識であること、ごく初心者の方むけの記述であることを、
ご理解の上、参考としていただければ、と思います。


平安貴族と香り

仏教とともに日本に入ってきて、儀式やお供えとして使われたお香ですが、
奈良時代後半から、平安時代にかけて、仏教から離れて自由に香を楽しむかたちができあがります。

これには、753年、苦難の末日本に渡った唐僧鑑真、によるところが大きいとか。
鑑真和上は仏教の戒律とともに、多くの文化を日本に伝えました。
そのなかに、数々の香木、香料やその調合法も含まれていたのです。


平安時代に貴族の間でひろまった「空薫物(そらだきもの)」
居住空間などに香りを漂わせるお香の楽しみ方です。
この空薫物に使われるのは、香木ではなく、「薫香(たきもの)」と呼ばれる「練香(ねりこう)」です。
何種類かの香料や蜂蜜や梅肉なども使って練り合わせた黒い丸薬のようなお香です。
(見た目はとっても苦いお薬のよう!)
この「薫香」を作る技術を伝えたのが鑑真和上なのですね。


「源氏物語」にはこの空薫物についての記述が多く出てきます。
「空薫物のかおりが心にくくただよい、名香の香などもあたりにみちているのですが、
 君のお袖の追風がひとしお匂い渡りますので、
 奥に隠れている人々もなんとなく胸を躍らせる様子です。」
(新々約源氏物語 若紫の巻)

当時の貴族は人を迎える心づかいとして、部屋には香をたきこめていたこと、
源氏の君のような高貴なプレイボーイは、また特別にかぐわしい香りを着物にたきしめ、
周囲をくらくらさせていたことがわかりますね。

この「薫香」は各貴族の邸宅でそれぞれに調合して作られていました。
その調合法も貴族の教養として重んじられたのだと思います。

かぐわしい香りにつつまれた、なんと優雅な平安貴族、と思いますが、
現在のように入浴や洗髪も充分にはできなかった時代、
体臭や衛生上の臭い消しの意味合いも強かったでしょうし、

当時の暮らしを考えると、
宮廷や貴族の邸宅は、清潔に保たれていたかもしれませんが、
一歩外へ出て、下々の人々の暮らしを考えると…
上下水道などなく、不衛生で、疫病が流行ることもあったはず、
街は現在では考えられない腐臭が漂っていたかもしれません。
貴族邸での空薫物には、このような外からの臭いをさえぎる意味もあったのでは、
という説もあります。(松栄堂さんでうかがった話)
そして、良い香りを漂わせることで邪気を払うという意味もあったのでは、
というのは「陰陽師」大好きな私の私見でございます。



参考文献
平凡社「日本の香り」
学研 「かおる」
株式会社松栄堂 「香りのさんぽ」

無断転載はお控え下さい。

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posted by 店長 at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | お香について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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