2008年09月11日

お香の歴史1

香炉という商品を扱っておりますので、お香についてのご質問もいただきます。


お香については専門家ではありませんが、
私なりに得た知識を、お香をまったくご存じない方向けに、書いておこうと思います。
専門家の知識ではないこと、ごく初心者の方むけの、ひとりよがりの知識であることを
ご理解の上、参考としていただければ、と思います。


お香の伝来

お香というと、とても日本的なもの、という感じがいたしますが、
香木は海外から伝来したものです。今も日本では産出しません。

「日本書紀」には、
595年(推古天皇3年)4月「沈水(ぢむ)淡路島に漂着」という記述があるそうです。
この沈水(ぢむ)とは、沈水香木(じんすいこうぼく)=沈香(じんこう)のことです。
島の人々が、流木をかまどになげこんだところ、かぐわしい香りがたちのぼり
驚いてこの木を朝廷に献上したそうです。
宮廷の官吏たちもその正体がわからなかったのですが、
聖徳太子は、天竺でいう香木である、とご存じだったということです。

これが香に関する日本最古の記述なのですが、
538年の仏教伝来とともに、香も日本に伝わっていたと考えられます。
ただし、ごく一部の身分の高い方たちのみ、知るところのものだったのでしょう。

その後も「日本書記」には香に関する記述がみられます。
671年 大友皇子が手に香炉を持って蘇我赤兄臣らと盟約を結んだ、等々

政治に仏教を取り入れた蘇我一族や聖徳太子らは仏教儀礼としての香も重んじたようです。
香は権威の象徴であったのかもしれません。
聖徳太子の肖像画でも柄香炉を携えたものがありますね。(↓一例です)
http://www.regasu-shinjuku.or.jp/shinjuku-rekihaku/public_html/shozoshiryo/b02_kaiga/bunka_005.html


ところで、沈水香木(じんすいこうぼく)=沈香(じんこう)とは?
ジンチョウゲ科の香木で、比重が重く水に沈むことからこう呼ばれます。
木そのものが香るのではなく、樹幹の傷などから滲出した樹脂が
木質に沈着し、年月をかけ樹木自体が枯れていく過程で、熟成されてできたものです。
さまざまな自然条件のもとで偶然に育まれるもので、大変貴重なものです。
産出地はインド、ミャンマー、ベトナム、タイ、マレー半島など東南アジア全域ですが、
絶滅危惧種として世界的な視野での保全管理が必要とされています。


日本に現存する沈香のなかで、もっとも有名なのは
東大寺・正倉院に伝わる「蘭奢待(らんじゃたい)」です。

長さ156cm、直径37.8cm、11.6kgという巨大な香木。
光明皇后が東大寺に献上したときは13kgあったそうですが、
歴代の天皇が、足利義政や織田信長ら、手柄をたてたものに分け与えた
のだそうです。(信長は権力誇示のために切ったとされています)
正倉院展で展示されているのを見たことがありますが、現在も裁断の跡が残されています。

これは沈香のなかでも、伽羅と呼ばれる最高級の香木です。
下世話な話になりますが、現在の伽羅は安いものでも1g10000円以上。
11.6kgというと……!!!
いえ、そんな金額に換算できない、これは日本の宝なのです。

本日はここまで

参考文献
平凡社「日本の香り」
学研 「かおる」
株式会社松栄堂 「香りのさんぽ」

無断転載はお控え下さい。




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posted by 店長 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | お香について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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